目兎龍日記

徒然なるままにオタクが硯に向かひて書くブログです。

いちじそうさく

去年の7月、一次創作を始めた。最近のことのように思うが、もう9ヶ月くらい前のことらしい。年を取るわけだ。

ことあるごとに言っていることだが、いざ寝ようと布団に入り目を瞑った時にインスピレーションが湧き、とりあえず形にして置こうと描いたもの。何気ない日常を送る2人の女子高生の4コマ漫画。何も目新しさのないシンプルなこの漫画の唯一の特徴が、「登場する生物の名前が全て学名」ということだ。

それがこの漫画
https://twitter.com/Metronsapiens/status/1150399172622733312?s=19



リンネのおぼしめし。

我ながら洒落たタイトルを付けたものだと自分を褒めることもある。学名による命名(いわゆる二名法)を考案した生物学者カール・フォン・リンネの存在の大きさ。学名という存在から与えられる堅苦しい印象。でも可愛い女の子がただ毎日を送るだけのゆるーい漫画だとわかる仮名だけのタイトル。これ以上いいタイトルをつけられる人はいないだろう。

「うちのこ」とは言い得て妙で、たった一晩の思いつきで生まれた彼女たちはまさに娘のような感覚だ。何事も長続きしない僕にしては長く続いているのも、彼女たちが愛おしいからだ。せいめいがないのが悔やまれる(これは生命と姓名をかけた美しく天才的なギャグ)。

それまで二次創作しかしてこなかったオタクが、深夜のテンションで生み出したオリジナルストーリーを世に放つのは大変な勇気と精神崩壊が必要で、パワーのいる所業だ。しかし、一度世に放ってしまえばあとはもう何でもない。そうして「リンネのおぼしめし。」は今日まで20本近く描き続けられ、新キャラも登場し、挙げ句の果てに全く違う新しい一次創作「明日から明日香」をboothで販売しだすまでに僕はおかしくなってしまった。あの夜、僕のオタクライフが一変したのだ。彼女たちが僕の人生において大きな存在であることに間違いない。
https://kitagawaapart.booth.pm/items/1807407


だが、やはり二次創作の方が見てもらえるのは確かだ。有名作品の絵やマンガを描く方が、ツイッターピクシブでの反応は多い。落書きのような絵でも、本気で描いた一次創作より伸びることは日常茶飯事だ。反応の多さが全てではないし、それをベースに己を評価し始めたら終わりだとわかってはいても、やはり反応数は気にしてしまう。1からファンを作るということがどれだけ難しいことか、改めて実感する。

それでも僕は、一次創作が楽しいし、一次創作の方が続けたいと思える。どれだけ反応が少なくても、ゼロではない。本当にありがたいことに、僕が生み出した彼女たちを愛してくれる方がいらっしゃる。僕の漫画に、お金を払ってくださる方がいる。ファンアートを描いてくださる方までいて、僕は本当に周りに恵まれているなと思う。いつも本当に、ありがとうございます。

これからも、皆様が彼女たちを愛してくださる限り、僕が彼女たちを愛する限り、僕の命が続く限り、一次創作は続けるつもりだ。その影で消えていった二次創作シリーズもある。描いていて楽しかったのは事実だが、いま僕がやりたいのは、ゼロからの創造なのだ。僕しか知らない新しい世界を、形にすることなのだ。気まぐれで、飽き性で、めんどくさがり屋の僕ですが、これからもよろしくお願いします。なんだこのブログ。

最後に、ひっそりと消えていった二次創作シリーズ2本を載せておきます。

「たまちゃん水族館」 https://twitter.com/i/events/1083701533206663168

「クリエメイト闇堕ち計画」 https://twitter.com/i/events/1113287066593386496